寝具革命の実態
第二次世界大戦の後で、日本の寝具史は再び大きな変革期に直面することとなりました。
そして、その現象はまず素材の面から動きはじめたのです。
掛けぶとんの面についてみると、最初は化繊ワタ、ついで合繊ワタを従来の木綿ワタに代えて使用するこころみが突破口でした。
これらのワタは、木綿ワタにくらべてやや割高ではありましたが、何よりも軽くて、ちょうど高級な布団 羽毛のような感触をあたえる強味があったのです。
初期には吸湿性や保湿力という点では多少の難点があったのですが、弾力性(弾性復元力)が常に一定しているため、木綿ワタの場合のように定期的に打ち直しをするという必要がほとんどないという利点がありました。
一方、これらのワタを包む「側(がわ)」(外被)についてもまた、化学繊維や合成繊維が使用されましたが、それらは絹のような肌ざわりと、木綿よりも高い強靭性を特色としていました。
・・・と同時に、それは織布の当初から、ふとんの寸法に合わせて生産することもでき、加工の工程においても、キルティングによって側(がわ)と中味とを定着させるという、綿(めん)ぶとんは全く違った方法がとられたのです。
この新製品は、従来の蒲団と区別されるため、洋ふとん、洋式掛ふとん(洋風)の名で呼ばれてきたのですが、この名称が与えられた理由は、その素材面の変革と共に、そのデザインの著しい変容のためでもあったと見てよいですしょう。
つまり、古来の蒲団は、もともと着物(呉服物)のために生産された「反物」を応用してつくったものが多く、そのため、その布の幅もデザインも、和服の形姿を前提として決定されてきたものです。